PERSONA3 UNDER TEXT


オンマウスで事後



 その日は酷く苛々していた。リーダーと喧嘩をし      正確には相手にすらされていないから、勝手にオレがリーダーとの差に焦りと嫉妬をしていただけ。

 ストレスを何とか発散させたくて、こっそりと寮を抜け出して一人でタルタロスへ向かった。適当に狩ってさっさと装置で戻れば大丈夫、そう思っていた。だけど風花のサポート無しでは装置が中々見つからず、上の方の階層まで来てしまった。だから敵が強かった。後悔した時には遅かった。


 ギガス系の筋肉隆々のシャドウに吹っ飛ばされて背後の壁に叩きつけられた。背を強く打ったせいで息が詰まる。呼吸を乱され痛みにうずくまるオレにシャドウが近付いてきた。逃げようとするが上手く身体が動かない。召喚器も大剣も自分と同じく遠くに飛ばされていて、シャドウは丸腰のオレを悠々と掴み引き寄せた。

 抵抗しようと痺れる手足を暴れさせたが生身の身体では鋼のような皮膚には何の意味もなく、自分の倍ほどある手に乱暴に押さえつけられたせいでドレスシャツが裂け、シルバーネックレスが千切れた。

 巨体に覆い被さられて死の恐怖を感じた…が、それが別の恐怖に急変した。

「う…嘘、だろ…?」

 スラックスまで破かれ、気付けば人の男根のような塊を曝け出していたからだ。シャドウにも性器がついているのかと理解するよりも早く、身体に相応しく腕のように太いそれをトランクスの隙間から捩じ込もうとしているのだと分かり、恐怖に全身が硬直した。必死に足を閉じるが無理矢理開脚させられる。

 まさか、そんな。どうしてこんな状況に。シャドウが性行為なんてするわけがない。じゃあどうして肉棒を後ろに押し付けるのか。自問自答しても意味が無い、シャドウは身体を更に屈めて密着してくる。否定したくても理解したくなくても現実が示していた。化け物が自分を強姦しようとしている。

 興奮した様子で野太い音を仮面で籠もらせながら迫ってくる様は、まさに筋肉質なイカれた変態男を彷彿とさせ、不快感と恐怖心を増幅させた。

 そんなもの挿入出来るわけがない、無理に挿れられれば絶対死ぬ。殺されてしまう。心臓が緊急サイレンのようにバクバクと脈打ち、恐怖は最高潮に達した。

「や      嫌だっ…      !!」

 上げた悲鳴は既に泣き声になっていた。押さえつけられて抵抗することすら満足に出来ないまま肉の塊で排泄口を拡げられる。入らない。そんなもの、そんなデカイものが入るはずが無い。容量を考えろ。だからさっさと退け、そう心の中で叫ぶ。

「…      ッあ゛あ゛!!!」

 しかし、信じられないことに何度か擦られた後、粘着質な感触がして勢いをつけられると先端が僅かに埋まった。それだけで裂けたと思うほど痛かった。人のように熱を感じない無機質な棒、だけど何故か生々しい。きっと痛みで自分自身の接合部が熱いんだ。

 シャドウに労わる気持ちがあるわけがない。救いなんて全くなかった。無理矢理埋めようとしてこられ、あまりの痛みに気分が悪くなって貧血からか視界が白く霞んだ。気を失う、なら早く。一秒でも早く気絶してくれ。そんな願いも空しく腰を進められた強い痛みにまた意識が浮上してしまった。地獄だった。

 腰を上げられると繋がる部分から自分の血と黒の液体が垂れてきた。粘着質な液体はこれか。シャドウ特有のあの蠢くような黒。これが精液の代わりなのか。ああ何もかもが気持ち悪い。

「痛っ      …、っ      !!」

 激痛に声が上手く出ない。掴まれている足は全く動かないし、無理に腰を動かすと痛みが増すだけで。喉を引き攣らせて受け入れる以外何も出来なかった。

 どうなってしまうのだろうか。この行為に終わりはあるのだろうか。その時には自分は生きているのだろうか。

「うぅ゛      ッ」

 耳障りな水音と共に、また少し太い塊が腸の中に沈む。

 痛い。苦しい。腹が裂けてしまう。そう心中で思い泣き叫ぶことが出来たのは最初の方だけだった。もう、その後は何かを考えることすら出来なかった。

 痛みで意識がブツブツと途切れるが、やっぱり痛みで失神すら叶わなかった。拷問だ。ただ、視界が真っ赤に染まって「痛い」なんて言葉すら吐けず、考えられず、揺すられているのか痙攣しているのか身体をガクガクと震わせ続けた。


 焼け付くような痛みは終わるまで、終わっても止むことはなかった。




この後(事後)探しに来たリーダー(♂)に介抱してもらいました。
おまけ的なSSなのに話が終わらないので中途半端に締め。

2010/04/01

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