PERSONA3 UNDER TEXT

青い果実


「伊織君…だったね。じゃあ、荷物を置き終わったら四階の私の部屋に来てくれるかな?寮のことと、アノことについて少し話したいんだ。作戦室っていう大きめの部屋の中にあるから」

 初めて寮に訪れた、スラリとした理想体型の少年に小さく耳打ちする。

「あ、ハイ。分かったっス!」

 元気のいい返事にこちらもニコリと笑みを返すと、先に部屋に戻った。

 実に良い拾い物をしてくれたものだ、真田君には感謝しなければいけないね。




「幾月さーん。伊織っス」

 コンコンと軽やかにドアをノックする彼を丁重に部屋に招き入れる。新しい刺激のある生活に興奮しているのか、どこか浮き浮きとしているようだった。

 ソファに掛けさせてお茶を出しながら、目の前の彼の全身をそれとなしに眺め回した。

 細身だからかこう向かい合って座ると長身かと思われたが意外と平均身長だ。肉付きもようやく完成したかという瑞々しい肉体で健康的な肌の色をしている。開けた胸元から鎖骨のラインがハッキリと見える。

 いけないな、こんな誘うような格好をしていては。これでは襲われたって文句は言えないよ?



 暫く寮の簡単なルールとシャドウについての会話を交わす。

 その間、こちらに比べ彼はまさに無防備。柔らかな物腰で話す僕にいくらか好意と信頼を抱いてくれているようだ。その辺りはまだ世の中を知りきれていない子供か。

 髭を僅かに生やしてはいるが、幼い顔とのギャップがまた良い。



 さて、と。もう三十分近く経った頃だな。…そろそろ効いてくる時間かな。

 丁度話のきりのいいところで立ち上がり、彼の隣に座る。

 突然のことに不思議そうな顔をしている彼の太腿に手を置いて、内に撫でるように滑らせるとヒクリと反応して、疑問だった顔が少し引き攣った。

「…い、幾月さん?」

 冗談で済ませたいのか、引き攣ったまま笑おうとしている彼に、さらに手を動かしてみせる。人差し指と中指に少し力を込めて、意思を持って内腿を引っ掻いた。

「ちょ…ッ!?え?何スかっ?」

 芋虫が這うように太腿の付け根にまで手を滑らせると、さすがに声を張られる。困惑した顔で見つめる彼に、あくまで優しく微笑み返す。

「伊織君は経験あるのかな?」

 声のトーンを変えずに、柔らかな口調で聞くと、混乱からより幼くなってしまった顔をして上目に聞き返してきた。

「け、経験って何の…?」
「君は童貞なのかって聞いてるんだよ」
「は!?何の話っスか!」

 いきなりのこの状況に混乱を隠せず慌てる彼が可愛らしい。そんなに反応が良いと苛めたくなるじゃないか。全く嗜虐心を煽る子だ。

「男としては気になるところじゃないかぁ」

 ハハハと言葉とは裏腹に爽やかに笑うと、少し警戒が弱まったのか、もぞもぞしながら呟いた。

「まだ…ヤったことないっスけど…」

 そうか。じゃあ、染めがいがあるなぁ。楽しみで頬が緩んでしまうよ。いや、彼にとってはトラウマになるかもしれないねぇ。まぁ、その類の処理はきちんと心得ているけれど。



「じゃあ、もちろん処女だよね?」
「えっ、しょ、処女って…掘られたことあるかってこと…スか?」
「そういうことだね」
「あるわけないじゃないっスか!!」
「そうだよねぇ。じゃあ、今からが初体験だね」

 スラックス越しに彼の中心を撫で上げると、ビクリと反応して逃げるように立ち上がった。

「幾月さんっ…冗談が過ぎますって…、…      っつ!?…え…?」

 ぐらりとよろけながら、咄嗟にソファの背もたれを掴んで何とか立つことを維持している。やっと反応が出てきたようだ。

「く…っ、…」
「力が入らない?足が震えているよ」

 ニコニコしながらその様を見つめて言ってやると、訳が分からない、何をした、といった顔を僕の方に向けた。あぁいいなぁその顔。ご褒美に何をしたか教えてあげようね。

「そのお茶。そう、君が口付けたお茶。それに少し薬を混ぜたんだ」

 微笑みながら衝撃的なことをサラリと言う僕を、伊織君は唖然とした表情で見てきた。

 そりゃあ、そうだよね。実際学校では会ったことが無いから、面識が薄いオジサンにいきなりこんなことされたらね。

「ま、マジかよ…ッ」

 掴む手にも力が入らなくなってきたらしく、顔を歪ませながらズルズルと崩れ落ちる。傍に寄って見下ろすと、息を荒げながら小刻みに震えてこちらを睨みつけてきた。

 悪く思わないでくれよ。力じゃさすがに若い子には勝てないんだから、こうしないと抵抗されれば終わりになっちゃうじゃないか。せっかくの僕の趣向を台無しにしたくはないんだ。

「まぁ、入寮の儀式だと思って。ここの寮の子は皆経験してるから怖がらなくていいんだよ」
「…、な…」

 青い果実を全て喰らうのは僕だけに許された特権なんだ。

 僕は何でも…欲しいと思ったものは手に入れたい。いや、手に入れる権利を持っている。

 なぜなら僕はこの世を粛清し、皇子になるべき男なのだから。

 だから何も身体が記憶していない初々しいこの少年をどうしようがいいじゃないか。どうせ事が済んだら生贄の身。この僕に遊んでもらえることはむしろ光栄なことだよ。




 ラッシュ…まぁ、違法なんだけれどこの際入手方法がどうというのも野暮だろう。筋弛緩効果と快楽を増幅させるセックスドラッグに少し睡眠導入剤を混ぜたものを少々摂取させたこの少年は、床に転がって身悶えることしか出来ない。その彼の前に屈みこみ、顎を掴んで口付けた。舌を噛まれる前に逃げようとする彼の舌を無理やり引っ張り出して絡ませた。その舌を強く吸うと、大きく反応して喉で悲鳴の声が鳴った。

「ん゛…っ、…!!」

 吐き気がすると言いたげに顔を歪ませている。キスもしたことは無いのだろうか。

 震える手を動かして必死に僕を引き剥がそうと試みているようだけど、子猫が胸を掻く程度にしか感じない。

「無駄だよ。あと数時間は自由にならない。言葉すら上手く発せないよ」

 そう言うと、むきになったのか先程より強く胸を押し退けられた。ここまで動かせるとは、中々大したものだ。

「や…めろ、…ど…け…、…っ」
「あまり喋らない方が良いと思うんだけどなぁ、舌を噛んでしまうよ?」
「…っ…ンで、…オレ…なん、かっ…」
「さぁ?何でだろうね?理由付けるなら      思春期の少年少女はどんな味がするのか、ということに惹かれて、とでも言っておこうか。君はそのサンプルの一つ…かな」

 適当な言葉を返すと眉間に皺をさらに寄せて先程以上に睨みつけてくる。殺してやりたい、ぐらい思われてるんだろうね。でも、そういう反抗的な眼もまた興奮を掻き立てる一つにしかならないということをいい加減気付くべきだね。

「…そういう訳で、実験させてもらうよ」


 ベッドまで担ぎ上げて運ぶのは自分にはいささか体力と時間を要するので、そのまま床に転がしたままボタンを外しにかかる。初めてが床でレイプなんてのも少し可哀想だけど、まだ僕のような優男なだけいいんじゃないかな。

「い…やだ…ッ!!…ぁ、…幾月さ…っ、マジ…ざけん…なっ…、や…!!」
「やめないよ?それにふざけてもいない」

 笑顔を初めて崩して真顔で言ってやると、少年の瞳が揺れる。今にも恐怖で泣きそうで、狩りをする肉食獣の興奮がよく理解出来る瞬間だった。

 どうしようもない自分の身体がもどかしいんだろう、口から否定の言葉がずっと漏れて、震える身体をさらに震わせていた。出会ったときの健康的で明るい彼とは全く反対で、それが背筋を這い上がるほどの悦楽を呼ぶ。

 良い…実に良い。もっとその身に絶望と快楽を…その口から悲鳴と喘ぎを。

 そう心の中で叫ぶと、綺麗に、適度についた筋肉のラインを指先でなぞった。彼は背を微かに仰け反らせて耐えるように唇を噛む。

 胸を掌で円を描くようにしてゆっくりと捏ねると少し痛そうに弱く首を振るが、それもじっくり時間をかけて弄るとそのうちに擽ったいような声になり、そして快楽を得ている声が混じり始める。

「ぁ…あ゛ッ…、っつ、…ぅン…」

 胸を性感帯だと意識するようになった頃には、突起を強く抓り上げる痛みにさえ嬌声を上げるようになっていた。本当に初めてなのかと問いたくなるような感度に口端を吊り上げる。

 何度も何度も引っ掻いては抓り上げ、真っ赤に充血した胸には所々鬱血すら残っていた。そのときにはもう、意思とは関係無しに与えられる甘い痛烈に彼は鼻をスン、と鳴らして涙を零し始めていた。



 散々苛めながら上半身を犯し終えると、ベルトに手をかけ下半身にも刺激を与える。ゆったりとした大き目のトランクスの上からやんわりと握りこむと可哀想になる程切なく喘いだ。

「ぅ…ァ…っ、も…やっ…、いやだ…、触ン…なぁ…ッ」

 薬のせいか喘ぎのせいか、分からないくらいに息を乱し、声を切れ切れに発する。

 時間をかけて苛めたせいで目はトロンと潤んで、焦点を危うくし、口からは飲み込めきれなかった涎をだらしなく垂らしていた。

「触るななんて嘘をついたらいけないよ。身体は正直って…知っているかい?」

 押し上げて滲んでいる下着を剥ぎ取り、直接刺激を与えてやるとビクビクと身体を引き攣らせた。軽く上下に擦って、鈴口を親指の腹で押すだけで、首を仰け反らせて後頭部を床に擦り付けて激しく悶えさせた。

「ぁあ…っ!ァ、っンと…マジで…ぃ、ゃなん…だ…って…ッ、…ぅぁぁああ…!!」

 訴えるように喘ぐ。快楽に飲まれてしまう恐怖か、犯されているという事実か、本当に何かが強い拒絶を表しているようだ。…少し苛め過ぎたかな。年を取るにつれてセックスは、ねちっこくなるというからなぁ…若い彼には耐え切れなかったのかな。


 仕方が無い、もう挿れてしまおうか?そう思ったがまだ足りない気がしてしょうがない。彼にご奉仕してもらおうか、うーん…だけど歯を立てられたら堪ったものじゃないし、彼の身体がこれじゃ無理か。

 ぐるりと周りを見渡せば、箱に梱包されたどぎついピンク色をした大人の玩具といわれるアレが目に入った。そういえば最近ネット通販で買ったんだったかな、この類もある意味消耗品であるし。中身を確かめたまま一度も使っていない状態だった。

 …うん、丁度いいかもね。これは比較的小さめだし。初めてなら全く受け入れないほどにきついだろうし慣らしておこう。

 自分で勝手に納得すると、狂ったように泣き喚いて嫌がる彼の腰を掴みあげて、簡単な浣腸で洗浄を施した。本当に近辺だけ、という洗浄だったので数分で終わり、乱れた息を整える暇も与えずに、次は掌に垂らして人肌に温めたローションを指に絡めて洗浄で濡れて緩んだ秘所に塗り込めて拡げていく。ついでに前立腺を見つけ出し、違和感からすぐに快楽にいけるように慣らしていく。そのうちあっという間に後孔も性感帯なんだと若い身体は覚えて、快楽に堕ちていく。この瞬間の若人の表情と声は極上品だ。

 括約筋が解れ始め、指を押し返していたものが逆に受け入れるようになってきたところで、玩具にローションを大量に塗りつけて、彼の片足を乱暴に胸まで折り曲げさせ、抉るよう回しながら中に侵入させる。小型と言っても指とは比べ物にならないのは当然で、突然の質量に途端に彼は、身体を強張らして声を上げる。

      ッ…!!ぐぁっあぁ…ッ、いっっ…やっ、抜…い…!!」
「駄目だよ抜かない。すぐ気持ち良くなるから」

 苦しそうに懇願し、力の入らない手で床を掴むように引っ掻こうとしている彼を無視し、玩具をぐりぐりと押し込め根元まで挿れ終わると、いきなりスイッチを入れてやる。

「ァっ!!あぁぁっ…ううっ…」

 動かし辛い首をゆるゆると振って刺激を拒絶する。初めて入る違和感と圧迫感、その上今まで彼を襲ったことの無い振動が中で起こっている。確かにちょっと辛いかもしれないね。けれど苦痛と快楽のその狭間の顔が何とも言えないから抜いてはあげないけれど。

「…どう?気持ち良いかい?」

 小刻みに振動する玩具をゆっくりと前後に動かしながら聞いてみる。先程開発しておいた前立腺を意地悪く責め、一気に引き抜きかけると内臓が引き出される錯覚に陥るのか、もう涙で床が濡れていた。それでもどこかに残る理性か、小さな意地か、こんな醜態を曝しておきながらも弱くかぶりを振り続ける。

「あっ…はっ…き、気持ち…く…なんか…、ねぇ…っ、ンンぅ…ッ」
「まだそんなことを言うのかい?…じゃあ、君のここはどうしてこんなになってるのかな…」
「っんぁ…ッぁぁ…!!」

 反り返って先端から液を流し続けている性器を掴みあげて言うと、今度は従順に甘い声を漏らした。

「言ったじゃないか。身体は嘘をつけないんだって」
「っつ…ィ、…嫌だ…っつってん…だ…ろ…ッ、こんな…の無理、やり…!!」

 ああ、もう余計な意地を張っちゃって。もっとさっきみたいに素直のままの反応をすればいいものを。享受さえしてしまえば後は甘美な世界に飲まれていくだけでいいのに。そう思いながらも抵抗されることに喜びを感じているのは確かなのだが。

「じゃあ、このまま放っておこうか?」

 玩具の強度を強めながら言ってやると喘ぎながら睨みつけてきた。そんな涙でグチャグチャの顔をして…もう我慢できないぐらいになってるんだろう?

 玩具を挿し込んだまま、わざと彼から手を離して立ち上がると慌てたように叫んだ。

 もう、完全に君は釣られているということをこれでも理解出来ないのかい。そう含み笑いながら幼気な少年を掌で転がすのを心の底から楽しむ。もちろん、狂わされている方はもうそれどころではない。

「んっあ…ァ、…ちょ…マジか、よ…オレ…も…ッ、…」
「射精したいのかい?」
「っ…!、…ぁ…こんな…の挿れ…るっ…から…」
「しょうがないねぇ…」

 前に落ちた長い髪をかき上げて、どうすればいいのか分からないという風に初々しく震えている彼の性器を靴で踏みつける様に擦り付けてやると、全身が一気に強張った。

      ッ!!!ひぐ、ァ…!!ンン…ッ、ィああ…」

 悲鳴のような痛々しい声と快楽の声が部屋に響いて勢いよく白濁した液を吐き出した。数度に分けて吐き出している間、ずっと悶えて嬌声を上げ続ける。

「…こんな玩具でイっちゃうんだね。厭らしい子だ。それとも、痛いのが好きなのかな…?」

 汚れた靴を彼の肌に擦り付けながら言ってやる。彼の方はビクビクと性器も身体を未だ震わせて、突然の解放と余韻に呆然としていたが、まだ彼の中で暴れている玩具をゆっくりと引き抜くと、甘い娼婦のような声を出した。思わず笑ってしまう。

「ちが、…ちが…、っぅぁ…」
「さて、気持ち良くしてあげたんだから、そろそろ僕のも良くしてもらわなければね」

 まだ締まった筋肉を引き攣らせる両足を掴んで上に持ち上げると、意味を理解したのか動かないと分かっている身体を必死に動かそうとして抵抗してくる。玩具でイっておいて今更だと思うけれどね。

「ぜってぇ…嫌、だっ…、…あ、後でど…なるか…分かって…」
「さあ、どうなるのかな。君こそ今この状態でそんな口を利いたら…どうなるか分かっているのかな?」

 脅すように含みを持たせて言うと、顔が強張り、ヒュッと息を吸い込む音が聞こえた。

 恐怖する彼を宥めるように持ち上げた足を優しく撫でてから、滑りが良くなった彼の中に自分を押し込んだ。拒絶なのか悲鳴なのか快楽なのか、その瞬間が今までで一番大きく声が上がった。




 若い子達のように自分の快楽だけを求めるのではなくて、痛み、苦しみ、快楽、屈辱にまみれてグチャグチャに犯されていく彼の反応を楽しんだ。身体だけではなく彼の持ち合わせる全てを陵辱するように。

 彼は期待通りに絶望し、そして堕落していった。純粋に快楽を貪ろうとする彼の涙声が混じった嬌声は、中々艶があった。



 散々甚振ってやると頭の思考も理性も麻痺してきたのか、イかせてくれとだけ頼み続けてきた。彼の本能が自己防衛からか、早く事を終わらせたいと思ったのかもしれない。

「僕が達するまで、駄目だ」

 そう言い放っても涙を流してまだ頼んでくる。その様に支配欲が満たされた。



 やっと僕が達すると、早くとばかりに喘ぐ彼の性器を手で締め付け擦ってやった。彼は一鳴きし、弱々しく射精をすると同時にグッタリと動かなくなった。

 ハァハァと苦しそうに呼吸だけをしているのを見て気絶したのだと分かる。

 それでも少しも悪い事をしたという意識もなければ罪悪感さえない。一種の施しとまで思っている。




 テキパキと慣れた手つきで後処理をし、念のための後押し的に彼の口に液体の薬を無理やり流し込む。最初の薬の効果もあるし、これで目覚めたときには先程までやっていたことは思い出せはしない。思い出されれば殺されかねないしね。

 こうやって今まで青い果実たちを僕の色に染め上げてきたんだから。たとえ誰も覚えていなくても。その身体の奥底は毒牙の痕が刻み込まれている。それを遠巻きにほくそ笑むのもまた一興というものだろう。


 さてと、彼を部屋まで運ばなければ…上手く運べるだろうか。全く年は無駄に取りたくないものだね。




fin.

2006/10/21
2008/06/08 文章修正

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