PERSONA3 UNDER TEXT

破壊衝動A


 オレって損な性格してると思う。

 オレは…真田サンが純粋に好き、なんだよなぁ…センパイだし男だし、自分でもキモイって素に戻ったとき思い知らされっけど…、でもさぁ…なんか抜け出せねぇんだよ…

 なんつーか…蟻地獄に流れてる虫って、あーこんなんかなって。

 だから…、…オレ分かっちまったけどさ、誰がどの方向見てるか。ンでも…オレ好きな人には尽くすタイプらしいから。

 ただオレは褒めてもらえるだけでいいのかもしんねぇ。




 薄くピンと張った皮に覆われてる骨ばった肩に爪を食い込ませる。順平の上に跨って押さえつけてる自分はまるで本当に獣だな。

 そんな俺が…餌を前にして我慢できるか?

 15:30

 止まったままでもう10分経ったのかよ。

 ボーっとしてたらあっという間に過ぎちまうな。今決断して手ぇ出せば…骨までしゃぶり尽くせる時間がある。


      ン。荒垣サン」
「…あ?」
「人の上に乗るだけなら暑苦しいんで退いてもらえないっスか。つか、マジで痕残さないで下さいよ…爪痕までついちったし…」
「…テメェ立場分かってんのか?強気に出てんじゃねぇぞ」
「…、嫌っスから…オレ、こんなの…納得できねぇ」

 睨み付けられる瞳にはまだ汚れてない色が残ってやがる。…ムカつくぜ。ドロドロのくせして…まだ余裕あるってのかよ。

 ……
 ……
 …決めた。
 テメェが悪ィ。

 壊しても、俺が悪ィんじゃねぇ。程度知らねぇんだからな。



 ニット帽をグシャっと掴んでその辺に放り投げる。その行為に順平は顔を歪める。退かない…そういうことだからだ。

「暴れたら殺す」
「っ!…ンな、こと…できねぇ、くせに…」

 その通りだと思って口角を上げると、どう捉えたのか眉を寄せて恐怖したように視線を逸らす。

 その行動にデカい抵抗は無さそうだと悟り、さっきじっくりと観察した順平の体を今度は皮膚を、筋肉のラインを確かめるように指先でなぞっていく。それにくすぐったそうに俺の腕に手をかけて弱々しく逃げようとするが、構わずに身体の隅まで一つ一つ調べて触る。


 納得いくまで男の、でも俺よりも小さくて弱くて柔らけぇ体を触っていくとジーンズの硬ぇ感触に触れる。それと同時にビクつく順平。

「何されるか分かってんじゃねぇか…さすがにヤりなれてるってか?」

 逸らした視線を俺に向け、強く睨み付けて身体をくねらせて嫌がるが、俺に勝てるはずもなく脱がしにくいジーンズを無理矢理下着ごとずらす。剥き出しになった順平のそれに触れると、過剰なぐらいビクンと大きく反応する。

「あぁ?…溜まってんのかァ?タルタロス続いてっからな」
「っ…悪いっスか…オレだってそんな盛ってると思われたくねぇんスよ…っ」
「ハっ…、自分で慰めて我慢してたってのか。こんなんで反応しやがって」
「く…!ちょ…マジやめて、くださいよ…っ」
「遠慮すんなよ、溜まってんだろ?男同士だ、イイとこ分かってっからよ」
「ンっ…、離し…っや、あっ…」

 先端をグリグリと刺激すると悶えだした。ホントに溜まってたらしい…それとも、ヤり過ぎて感度良くなってんのか。

 掌で包んで自分でヤるときみてぇに荒く、素早く擦ってやると首を強く左右に振って甘く鳴く。

「はっ…ぁっ…、もっ…で…で、る…っ」
「な…っ」

 声に出したとおり、反り返った性器は順平の腹の上に溜まってたもんを脈打つように吐き出していく。あまりの呆気なさに一瞬面食らう。溜まってたっつっても、いくらなんでも早すぎだろテメェ。

「…この早漏。どんだけアキに使われてんだ…まさか、犯されてることに興奮してんじゃねぇだろうな」
「はぁ…は…、…ンな、わけ…っ」
「どうだかな。後ろ掘られてる時点でマゾだぜ。痛ぇことされて喜んでんだからな」
「おっオレだって、好きで、下にいんじゃないっスよ…ッ」

 脱力感のせいで虚ろな目ぇしながら言っても説得力ねぇよ。まぁ背や体格的に下になんのは当然だな。大体アキみてぇな筋肉質の野郎がコイツに抱かれる方が可笑しいだろ。

「も…何のつもりか知らねぇっスけど…もー気ぃ済んだっしょ…っ」
「何ふざけてんだ。俺はテメェが汚れて壊れてく様を見てぇんだよ…大体テメェ喜んでんだろ、体」
「っ触られりゃ反応すんのは当たり前っスよ…!つか勝手に反応してんの皮一枚だし、オレは別に…荒垣サンになんか…」
「そうかよ。そんでも気持ちいいんだろ?挿れる方はどうなんだろうなァ…アキの奴は女見限ってオメェにゾッコンなんだ、中々のもんなんだろ?」
「ん゛っ!?」

 人差し指から薬指の3本の指を無理矢理順平の唇と歯をこじ開けて乱暴に咥内に突っ込む。

「舐めろ」
「ぅ…っ」
「痛くなんのはテメェだぞ」

 顔をしかめる順平に上から命令する。男同士の行為なんか知るわけねぇが、とりあえず濡らしときゃいいだろ。

「っん…ッ」
「っつ!…あんまし、褒められた行為じゃねぇな」
「ぐむっ?!げほっ…ッかは…」

 暴れさせていた指に噛みつかれる。歯を立てた罰として指を喉の奥に突っ込むと、順平の目頭に一気に涙が溢れて声をあまり出せずに噎せ返る。

「そんなにヤられ過ぎて緩んでるっつーのかよ?あ?」
「っぐふっ…っ、…ふ…ぁ…んむ…っ」
「ちゃんと舌使えよ…俺ぁ変なクリームだのローションだの持ってねぇんだからな。マジでこのまま突っ込むぞ」
「ッつ…、ふぐ…ん゛…はっ…んぅ…」

 咥内を犯すように乱暴にかき回すと吐き戻しそうになるのがよほど辛かったのか、嫌々舌をゆっくりと恐る恐る指に絡ませてきた。苦しそうに口の中をもごもごとさせ、息をするために開くときは赤い舌が犬みてぇにチロっと見えるのが無意識に興奮させる。



 十分に舐めさせると引き抜きいて足を持ち上げる。その時の順平の怯えた泣き顔は欲情したといえるほど興奮させた。

「ゃ、ぁ…、やっぱ…ム、リ…っ、…嫌、だっ…」
「今更…」

 掴まれた足を胸に押し付けられて身体を動かせねぇせいか、首を必死で横に振るがそんなんでやめるぐれぇならハナからヤってねぇよ。

 とりあえず、舐めさせた中指を奥へと侵入させて中を押し広げるようにして人差し指を入れる。するとそこは拒んでんのか欲しがってんのか、キツク締め付けてくる。

 汚ねぇ場所なのに…こんな風にキツク締められると先のことを想像して喉が鳴る。だが…唾液で濡らしただけじゃやっぱりキツそうだな…ここは勝手に濡れてこねぇからなァ。順平も圧迫されてんのか苦しそうに息を吐いてやがる。

「くっぅ…はぁはぁ…っ」
「挿れられ慣れてるくせに、指だけでヤバそうじゃねぇか」
「は、ァ…挿れ方、違ぇ…もっと、ゆっくり…っ、…痛ぇっスよ…っ」
「知るか。女と同じようにしてんだからな」
「っ…ここ、一緒にしたら痛ぇに、決まってんじゃないっスかっ…突っ込むとこじゃ、ないんスからぁ…ッ」
「よく言うぜ…突っ込むとこじゃねぇとこに何回突っ込ませたんだよテメェは」

 残りの薬指も増やして、3本で激しく出し入れすると、唾液の音らしい水音と一緒に順平の変な声が漏れ出してくる。

「んっぁっあ゛っ…痛っ」

 順平の性器はさっき精液を出したばっかなのに、また頭をもたげてくる。喘ぎながらそれを掴もうとする順平の手を抜き挿ししてねぇ方の手で掴んで触らせねぇようにする。

「っ…ぁ、…んなっ…」
「また勃たせてんのかよ。ホントに好きなんだなァ…ヤられんの。気持ちよけりゃ誰でもいいんじゃねぇのか?」
「違う…っスよ…ッ、…っは…溜まってた、から…っ」
「なら後ろだけでもイけるだろ?テメェは変態野郎なんだからよ」
「ッつ…、ッ…荒垣…サ、ン…っっ、…勘弁してくだっ…さっ…っ」
「あ?指だけじゃ物足りねぇのか?」
「いらねっ…から…手ぇ…離しっ」
「そんなに欲しいんだったら俺のもん勃たせろ」

 掴まれた手を逃れさせようとするのを無視して、勝手な解釈をしてやる。俺が挿れたいがために。コイツを汚して…壊したいがために。

 手を掴んだまま、指を引き抜いて順平の顔の上に跨りスラックスから性器だけを出して口元に持っていく。上気した顔で俺のものを確認すると、たちまち気分が悪ィと言いたげに顔を背ける。それを無理矢理俺の方に向けて唇に押し当てた。

「咥えろ」
「ん゛う゛ぅ…ん゛ぁっ」

 嫌がる口を無理矢理こじ開けて、既に少し張った俺のものを押し込める。下は疼くわ、上は嫌なものを口に入れられるわで、真っ赤になった順平の顔はピクピクと眉が痙攣してやがる。

 俺なら、好きでもねぇ男の不気味なもん口に突っ込まれたら、自分が後でどうなろうが噛み千切ってやるけどな。まぁ、歯に当てるのも気持ち悪ィが…順平にはそんなことしたらどうなるかが怖くてできねぇだろうがな。


 暫くそのままにしても、口の中に押し込められたものをどうにもしねぇから、順平の頭を掴んで自分から動いてやった。指のときより、大きくて硬くて脈打つそれを、苦しいともがく順平に容赦なく喉に当たるぐらいにまで押し込んで、太さを増していく。

「っふぅ゛…、ぐ…っ、うう…」

 好きに暴れさせた俺のモンは、硬く張り詰めて、更なる刺激を求めて反り返る。順平の方にも目を向ける。嫌がって噎せ返ってやがったから、てっきり萎えてると思った順平のものはさっきより限界に張ってやがった。やっぱ変態かよ。

 ンじゃあ、そろそろ挿れてみるかとヨダレが滴る俺のものをまた、順平の足を上げて、さっき適当に解した場所に宛がう。

「っ!待っ…ふざけんなよ…っナマじゃないっスかぁ…っ」
「あ?悪いか?野郎相手だ。構わねぇだろ」
「そ、じゃなくて…っ、挿れるとこ分かってんスか!?腹壊す…っぅわっ」
「力抜け…」
「あ゛っ…ッッつ      

 じわじわと押し込んだ途端、また順平が果てる。

「っく…ホント、感度上げられ過ぎだろ…っ」

 いきなり、果てたことで締められて、こっちまで苦しくなる。暫く動かないでいっと、徐々に力が抜けていって中の締め付けが一瞬緩んだのを感じて奥まで進める。

 順平が嫌だというように身体を離そうとするのを無理やり掴んで強く抱くと同時に最奥まで突いてやる。

「っくっぁ…ッッ!はっぁっ…や…も、キツっ限、界っ…んぁっ痛っ裂け、る…ッッ」

 前後の動きのせいで言葉が切れ切れになりながら限界を訴える順平のものを掴んで無理やり勃たせる。

「ぁっや、めっ…許して、くだっさ…っお願いスからぁ…っ」
「黙って、ろ…っ」

 二度の強制射精の上に敏感になった部分を容赦なく弄られて、ついに弱り切った様子で許しを請う。当然、許すわけもなく乱暴に責め続けた。俺は壊してぇんだよ。



「っんん゛…っっう゛ぅ゛…っっぁ      

 もう叫ぶしかできねぇのを見てホントに限界で壊れそうなのが分かる。

 俺に汚されて、汚れて…壊れたらどうなっちまうんだろうなァ…、…壊れるのが見てぇなんて      マゾじゃあねぇとは思ってたが、ここまでサドだったとはな…まぁ、コイツ限定か。


「ゃ、ぁ゛ぁ…、…さっさな、だサっっ…」
「っ!…アキ、だぁ?」

 こんだけヤっても…アキのことかよ…、余裕なんてゼロだろ、何でこの状況で他人のこと考えられんだよ。何でアキだけを想えるんだよ。

 …汚れて、ねぇ。汚れねぇっ…くそっ……さっさと壊れろよ…ッ!!

「あ゛      さ、なだ、サっっ…、さ…ぁ…っ」
「っ…!!」

 壊し……ちまったら…駄目、だ…

「っ      …」

 動きを止めるとガクンと糸の切れた人形みてぇに順平の体の力が抜ける。

 これは、良心の呵責ってやつだろうか。そんなものが自分にもあったのか。ほとんど意識なんてなくなっちまってる順平が、あんまりにも懸命にアキを呼ぶから。虚しくなって、悲しくなって、怖くなった。

「…ンだよ…コイツ…ッッ」
「ぁ…、…真田…サン…さ、な…」
「ッ!?」

 アキを探るように焦点の合ってねぇ虚ろな目で手を伸ばしてくる。

 思わずその手から逃げるように身を引くと、繋がりが外れて順平が小さく喘いで伸ばした手が力なく落ちる。抜いた自身からは、溜まっていた欲が吐き出されて順平を汚した。

 気持ち、悪ィんだよ…セックスだけならまだしも…なんで男相手に、アキ相手にハマってんだよ。アキもアキだぜ…後ろ好きなら女の方使えばいいだろ…ッ意味分かんねぇ…

「…汚れてやがるくせに、純粋なままなんだよッ」




 "      ♪"

 ッ…!!…携帯…?順平のか?突然部屋に音楽が鳴り響いて、驚く。

 覗くとディスプレイに『風花』と表示されていた。ああ、山岸が下に居たんだったな…何のメールだ。

 そのままその画面で今の時刻を見る。

 17:08

 随分と時間が経っていた。そろそろ…退き際か。


 汗と出したもんの混ざり合った独特な臭いが鼻をつく。どうすんだよ、この処理…つうか…俺。

 …傷は、つけた。アキに縋るコイツを汚して、ある意味壊した。…何だか望んだ破壊じゃねぇが、まあいい、というかもう無理だ。

 処理は…知るか。とりあえず放っておいて…下にいる山岸からのメールがあったんだ、長居してると面倒なことがあるかもしんねぇ。



 自分の服装だけさっさと整えて、床に落ちていたグシャグシャになったタオルケットだけを一応順平に放り投げた。

 部屋を見渡すとベッドの傍に放り投げたニット帽に気付く。

 それを拾い上げた瞬間。

      !?」

 ガッ、といきなり強く腕を掴まれて完全に油断してた俺は柄にもなく息をヒュッと音がするぐれぇ吸っちまった。掴んでやがる腕の先を辿るとグッタリした、ンでも目だけは覚醒した順平と視線がぶち当たる。

 気絶してたんじゃねぇのかよ。その眼で…真っ直ぐに俺を見るんじゃねえ。

「っ…ンだよ…離せ」
「……」
「っ離せ…せっかく止めてやったのに…壊されてぇのか…」
「…十分壊してくれたじゃないっスか」

 掠れた声でさらに掴んだ指先に力を込められる。壊したといえば壊したが…俺が壊そうとしたのは順平を責め上げたらどうなるかってことで…、…ギリギリ、セーフだろ…俺は一発しかヤってねぇし。

「っ…」
「…順平…?」
「荒垣サンも…壊れて、みたいっスか…?」
「ッ!?」

 俺が驚いたのには理由が2つある。

 1つは順平が泣きながら笑ってやがったから。もう1つは      



「上出来だ…順平」
「アキ…!?」

 ドアにはアキが満足そうに微笑んで立っていやがったから。

「真田、サン…オレ…」
「大丈夫か…お前は風呂に入ってこい。そのままじゃいれないだろ」
「…あ…の…っ、……は、い」

 状況が飲み込めねぇ。急に、捨て犬みてぇにアキに視線を送る順平に、アキは近づいてきて頬を撫でる。順平は嬉しいのか悲しいのか、目をスッと細めると、頼りなくフラフラと部屋から出て行った。

「順平…?…っアキ…どーいう…ッつ!?」

 近づいてくるアキに視線を戻した瞬間、思いっきり肩を突き飛ばされてベッドの上に荒く転がる。押された肩がジリジリと痛むほどの強さに驚愕する。

 可笑しい…いくらコイツの力が強ぇったって、俺を簡単に吹っ飛ばせるわけがねえ。

「楽しかったか?順平を好きなように扱うのは…?」
「っ…テメェ…黙って見てやがったのか?」
「…始めから、こうなる予定だったからな」
「!?…あ?…順平を使ったってのか?」
「順平は俺の言うことは何でも聞くんだよ。まぁ、計画のことは話さなかったが、こうなるとは思っていた。あいつは俺に入れ込んでいるからな」
「計画、だぁ?」
「わざと俺たちの関係をバラして、お前に関心を持たせ…順平に触れさせる。ああ、山岸にも時間を指定して、返信がなかったら俺のとこに連絡を入れるよう頼んでおいたがな」
「…、…面倒くせぇことしやがって…」

 つうか、計画って…昔から可笑しい奴だったが、今回は重症だ。そもそも順平はマジで嫌がってやがったし、アキのこと想って、求めて…      まさかコイツ…想われてんのを良いことに順平を…

「テメェ…こうまでして、何がしてぇんだ…っ」
      汚れたな」
「…っな…」

 掴みかかった俺に、アキは今まで見せたこともない迫力と恐ろしさで、静かに言った。それは、何度も自分の中で繰り返した言葉。それをアキに言われて目を見開いた。

「シンジ…お前は順平を汚した。そしてお前自身も汚れた…嫌がれば嫌がるほど順平を汚して壊したくなったろ?」
「っ…テメェ、順平を何だと…!」
「その順平を無理やり強姦したのはお前だろ」
「っ…!」
「…シンジ」

 覆うように手をついて顔を近付けてくるアキの腹を蹴飛ばしたが、少し眉を寄せるだけでビクともしやがらねぇ。

「シンジ相手だ。防御力も攻撃力も高めるアイテムがあるのに使わないはずないだろ?」
「クソが…っ、…アキ…ッいい加減にしやがれ…!」
「汚れてるものは、汚れてる俺が穢しても…別に構わないはずだろ?」
「ッ!!」

       "汚れてるもンは汚れてる奴が穢しても…いいはずだろ?"

 …は…同じ、かよ。

 結局、俺もアキも、…みんな…


「順平の方が…きっと、いい…」
「それでも俺は前から興味があった。シンジに」
「…みんな、汚れてんのかよ…最悪だ」

 アキを目の前にして、今頃悲しんでる順平を想う。アイツはきっと、アキが入ってきた時点で気付いた。自分のために来てくれたんじゃねぇことを。あの目が、そう泣いていた。

 それでも…それでも      

 そうか…だから汚して、壊したくなったのか…あんなに破壊衝動が起きちまったんだ。

 上に乗っかってるアキをぼんやりと眺める。ヤってた俺が、ヤられてんだ。なんでコイツは、こう思わねえ?

 今度は自分がヤられる…ってな。




fin.

2007/08/03

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