愛玩犬B
「許 苦し 」
圧し掛かり体重をかけて喉元を圧迫しながら、もがく順平の顔を見下ろした。
犬の躾は簡単だ。上下関係を教えるために命令を聞けば褒める、反抗すれば叱る、それだけだ。
…躾?欲望を剥き出しにする口実だろうが、と自嘲の笑みを浮かべた。それでも手を緩めれば大義名分が崩れてただの虐待になってしまうから開き直る。そりゃあもう思い切り開き直ってしまう。
「まだイけないの?」
胸を抓り上げながら聞くが、うーうーと呻り声を漏らしながら喉元の手を剥がそうと悶えている。相変わらず下肢の中心がピクピクとは反応するもののそれ以上どうにかなることはなかった。
…駄目だな。いくら刺激を強めても調教もしていない状態の胸だけでは達するのは無理そうだ。このまま泣かせていると体力だけ減っていってしまう。それじゃあまたグロッキー状態で有耶無耶になって躾にならない。
もう少しだけ喉元に置いた手に体重をかけて、声をかけた。
「今回だけ胸は勘弁してあげる。嬉しい?」
返事を促すように首を圧迫すると、動く範囲で必死に頭を縦に振った。もちろん許すつもりなんて全く無くて、妥協点を提示しただけだ。今夜はタルタロスに行く予定もないし、一晩中遊ばせてもらうつもりなのだから。
押さえたところを指で撫でながらゆっくりと手を離した。もちろん少し赤みはあるが、絞めてもいないし痕になるような圧迫の仕方はしていない。
身体を捩って呼吸を整えている順平のベルトに手をかけ、勃ち上がりかけているものを下着から取り出した。捩っていた身体が今度は跳ね上がる。決定的な刺激を求めていたのか、触れるだけで大きさを増し、尿道も心なしか呼吸するように震えていた。そこに手袋に付いた液体を流し込むようにして先端を擦る。
腰をひくつかせビクビクと反応した。性器を弄っても抵抗もしない。いや散々焦らされていたからその分抵抗も出来ないほど刺激が強烈だったのか。ぎゅうっと目を閉じ、純粋な甘い声で啼き快楽に酔いかけたところで、ぐっと眉を寄せ、太腿をもぞりと擦り合わせた。
「あ、あ…!」
痒みが効いてきたのだろう。液体を擦り込んだのだから当然。先端を指の腹で嘲弄するようにピタピタと触るだけで肩を大きく震わせた。
「っ !やめ…ッ、う…!」
「大丈夫、ちゃんと洗ってあげるから。後で」
後でを強調してから、軽めに音を立てて先ほど押さえていた喉元を吸った。そこで気付く、この間痕をつけたところはもう分からなくなっていて、証が無くなっていたことに。それが嫌で前につけた場所と同じと思われるところを強く吸い上げ、歯を立てて赤く濡らせた。
うん、肌の上に乗る出来立ての赤はやっぱり綺麗だ。これからは消える前に痕をつけて、常に残しておこう。
「っ痛…噛むな…、ぁ…」
でも下肢は反応したけど、犬め。
このまま感覚が何もかも全て甘さに変わってしまえば良いのに、そうなるまで調教してやろうかと一瞬思い、すぐに思い直した。そんな娼婦のように欲だらけな淫靡な犬じゃなくて、素直な犬が欲しいのだから。それに自分自身、交尾のようなただ下品なセックスは遠慮したい。下品でも、下品だと自覚出来るセックスでなければいけない。行為自体綺麗なものでなくて良い、むしろ綺麗なものだなんてもう思っていない。でも羞恥が無ければつまらないじゃないか。
「ちょっと邪魔だな、下脱いで」
「…え…」
「お前こんなになってるし、汚すと面倒だろ?」
「あ…、 んんーッ…!!」
痛痒をもたらせているだろう尿道を強めにずりずりとすってやると、痛み以上に物凄い快感になったのだろう。唇を噛み締めながら喉を反らせた。塗りこめた液体なのか分泌された液体なのか、トロトロと溢れ出てくる。
ほら、と声をかけて促すと、鈍い動きで腰を上げてまず片足をスラックスと下着から外した。頬は上気していて、目はとろんと熱に溺れ始めていた。前回情事中に見た目だった。
もう片足もとまた鈍い動作で脱ごうとしているのを見て、焦れったくなり有無を言わさず身体を素足の方を上にするようにして横に倒した。尻朶を掴み、後孔を拡げ、手袋を嵌めた手でその後孔に液体を絡めた中指を侵入させる。まず排出口、そしてじんわりと中にも丁寧に塗りつけていく。
前を弄ってもらえると思って下を脱いだのだろう、驚愕し痛みも加わってか暴れたが、その度に掴む尻を強打した。身体を捩ったり、叩かれたりすると胸や性器がシーツに擦れて甘さを感じている一方で、後ろにとんでもない事をされているんじゃないかというような感じで小さく嬌声を漏らしながら必死に首をこちらに向けた。
「痛っ…そこっ駄目だって…!い、言うこと聞いてんじゃんかァ…!」
「うん。でも許していないし、素直に聞かないなら好きにさせてもらうって言ったはずだけど」
「そ、んな…治すって…ッ」
「それも後でって言っただろ」
「嫌…ッ !?あ…あ !」
後ろも疼痛が始まったのだろう。手足をバタつかせ仰け反って悶えた。歯を食い縛って腿を必死に擦り合わせて何とか痒みを抑えようとなけなしの努力をしていた。全身をわなわなと震わせているのを見て、さすがに慣れていない身体に性感帯の三点責めは可哀想だったろうか思ったが、思うだけだった。身体に大分負担は掛かっているだろうが悦んでいるのも確かだから。
人差し指も挿し入れて内壁を引っ掻くと嬌声を上げた。かぶりを振るものの、それが拒絶なのか強請っているのか本人も分かってないんだろう。が、内の感情がどうあれ、刺激を与えられることで痛痒が緩和し凄まじい快楽を得ているはずだ。証拠に徐々に足を開いて弄る手を迎えていた。
「…ここがいいの?」
「っぅ゛、奥ッ…、奥が 」
順平は頭をシーツに擦り付けて僕の指を受け入れながら、手を胸と怒張した雄に伸ばした。前も疼いているままなのだから当然だが、あえて弄る手を一まとめにして上から押さえつけた。ついでに後ろに突き入れた指も引き抜く。
「誰が好きにしていいって言ったの?」
「う゛…、だ、だって 」
「この前も好きにさせなかったろ。覚えてないのか」
順平の手を押さえつつ、内腿を撫でた。自分で絶頂を迎えるにしても、もっと愉しませてくれないと。順平の方は嫌々と首を振ってシルバーネックレスを踊らせていた。蹴飛ばしてでも引き離そうとしないのだから可愛いものだけど、それも恐らく身体が辛いか、頭が回らないか、畏怖しているかのどれかのせいなのだろう。
「っ…お前、オレに何の恨みが…」
「恨み?」
「こ、こんな…こと…オレが嫌いでやってるとしか、っ…」
「好きだって言っただろ?恨んでいたらそもそも関わらない」
「嘘…吐くな…、好きなら苦しめたりするわけねぇだろ…!」
「分かってないなぁ…こういう形もあるんだよ」
それに苦痛だけじゃなくイイコトもしてあげているし、と心の中で付け加える。とは言え、関係性の問題で支配欲剥き出しで攻撃的になってしまっているのは事実だけれど。
「…歪んでんな…」「優しくするのが愛情だと思ってるの?」
人の善い単純な順平には分からないと思うけど。…でもお前はそのままでいればいい。そんな順平だから選んだんだ。
純粋なものを汚す快楽に酔いながら、頬にキスを落とす。順平は顔を顰めたが構わずにそのまま頬骨まで舐め上げ、耳朶を噛む。するとさらに首を振って悶えた。
「それ、じゃな…っ」
「これじゃなくて…何?」
「だからっ…、…っお前が…!!オレに、変なことばっかするから…ッ、…あ゛…っく…」
あーあーまた泣いた。一度泣いてしまったから涙腺が緩んでいるのか、泣くことに抵抗がなくなったのか。今度は後ろだけで達せる身体にしようと思ったのに、多分このままじゃまた出来ないと喚くだろう。やっぱり前回のときに恐怖していても無理矢理開発しておけばよかったか。…いや、触って欲しいのならその口で乞わせて性感帯を理解させてから存分に啼かせるのも悪くない。
それほど自分に悪癖は無かったと思うが、何故か順平相手だと悪戯したい衝動に駆られる。泣かせたり悦ばせたり、他の人では出来ない鬼畜や無茶なことも自分の好きに掌で転がせられるから愉しくて仕方ない。
いつも「優しくしてね」と言う声に応えてどれだけ下肢の中心が疼いていても丁寧に扱い、男としての株を下げることが無いようにと動き一つにも細心の注意を払おうと気を張っていた。だから色々と窮屈なものだった。もちろんセックスというのは相手を思い遣ることがマナーだとは思うが、そうした気負いがないというのは純粋に行為に没頭できて愉しさに繋がる。
「ちゃんと言わなきゃ分からない。どうしたら順平は気持ちよくなれるの?」
「っ…、……手…放せよ…、早く治…っィ !」
「そうじゃないだろ」
恥ずかしいのか口篭もる順平の後孔に指を突き入れて肉を抉るように引っ掻くと、声を詰まらせた。そんな答えでは満足しないことを分かっているくせに、自尊心や羞恥心なんかまだ引き摺っている。こんな風に汚されて転がされて泣きじゃくっているのを見下ろされているのに。まぁそれを壊すのもまた一興で、それでいてずっとその気持ちを持ち続けて欲しい。…ああ、確かに僕は歪んでいるな。
さっさと言えとばかりに、排出口を何度も挿し抜きすると、歯を食い縛ってシーツに頭を擦り付けた。それから薄っすらと目を開いて縋るような眼でこっちを見た。
「 っ、……ま、前が…疼いて…、…っ触ってくれよ…、早く出した 」
「後ろは?」
「っん、っ後ろ、後ろ…も…!」
「そう。そうやってちゃんと強請らなきゃ。そうしたら触ってあげる…、あ、慣れないうちはまた勝手しないように…ね」
そう言って自分のリボンタイを解いて順平の手首に巻きつけて軽く結んだ。一重に弱く絡めただけだから解こうと思って引っ張ればすぐ解ける、だけど順平はきっと拘束されたままでいるはずだ。従順な犬に相応しく、きっと。…抵抗して外したら後がどうなるか、なんてもう既に分かりきっているはず。
順平は拘束された手を見、そして不安そうに見上げてきた。戸惑いながらもやっと触れてもらえると言うのだからこれ以上逆らってはいけないと本能的に察したのだろう。獣の耳ならば、しょんぼりと垂れているのが目に浮かぶ。
命令を聞けば褒める。素直に強請ったからには褒美をと後孔に挿れた数本の指を乱雑に蠢かし、中指で前立腺を掻いてやりながら、性器にもなぞる様に指を這わせた。前後両方はさぞ甘美だったのだろう。随分と可愛らしい甲高い声で啼いた。それでも狂うような刺激で反射的に腕を動かせて手首のリボンタイを外さないように、シーツを握り締めて耐えていた。横向きで前に手を合わせていると、丸まったようになってどちらかと言えば元々華奢な部類に入るだろう身体がより小柄に感じられる。
「っ ィああ…ッ、ひあ、ン…!!」
「凄い声。裏声になってる。後ろがそんなに気持ちいいの?」
「い…、あ、ちが…、あ…ああ ッ」
指で前立腺を突きながら、少し痛いぐらいに強く性器を擦ってやる。後ろでも快楽が得られ、後ろだけでも達せられるということを教えようとしたのだけど、順平は呆気なく白濁液を吐き出してしまった。長く焦らしてはいたが、教える前に射精するとは思わなかったから叱ることも躾ける事も出来なかった。
量は多くなかったけれど、数回ドクドクと吐き出すその刺激すらも痒みと相俟ったのだろう。順平は長い間快感にガクガクと震えていた。
順平の呼吸が整うのを待つ。山芋と精液の白い液体にまみれながら拘束された両手でシーツを強く握り締めて快感に耐えている姿は、順平の健康さに比べて不自然で、それが酷く官能的だった。
縮こまったまま反応がないけど、まだいけるだろうか。性器を擦ってみると、腰が跳ねた。痛痒はまだ続いているようで、握る性器は徐々に元気を取り戻し、またもぞりと足を擦り合わせ始めた。
「ああ、まだ物欲しそうだな。大丈夫、今日一日ずっと遊んであげるから」
額に唇を押し付けて優しく頭を撫でてやりながら、ヒクヒクと肉を痙攣させている順平に柔らかい声をかける。けれども順平は顔を歪ませた。ただの簡素な性行為なら気持ち良い分には恐らくそこまで問題ないのだろう。流されて、甘い刺激を享受すればいい。これだけならむしろ処理に困る青少年からすれば願うところかもしれない。でも今回は何においても度が過ぎている。執拗な責め苦が混じるので恐ろしさがあるのだろう。
引けさせた腰を掴んで引き寄せ、後孔を探る。指一本であんなにきつかった腸壁も大分解れたみたいだ。それでも自身を挿入出来るほど柔軟ではまだない。
挿入する側でもされる側でも僕的にはどちらでもいいが、今回は順平の中に山芋を流し込んだから突いてやる方がいいだろう。前は手で擦ってやれるし。で、挿入するにしても中を十分に拡げなければ、自分も順平も怪我をする。手で時間をかけてやってもいいけど
…あ。考えながら横に目をやると、机の上にラップされて転がっている山芋があった。摺ったものの残りで、10センチ程度の長さだ。…これいいんじゃないか?括約筋を麻痺させるほど解し、とにかく弛ませなければならない。これをしばらく挿れたままにしておけばきっと括約筋がこの形になるように絡んで柔軟になるだろう。
「これ、吐き出さないようにね」
「…!ぐ…ッ、…う…ッ」
肩で息をしている順平に無理矢理山芋を捩じ込む。出したり挿れたりして刺激しつつ、少し引き攣ったりもしたが奥までぐっと挿し入れた。食べ物を粗末にするな!と声を上げられそうだが、こちらは身体を張って世界平和を守っているのだからこのぐらいは大目に見て欲しい。
丸一日挿れたままにしておけば随分と楽だろう。でも、痛痒が疼く身体で一日も大人しく出来るはずがないし、あんなに良がっておいて、もう抜けとか騒ぎながらぽろっぽろ泣いてるし。
結局30分間ほど腸壁が弛むまで時間を置いたのだけど、そこでまた一悶着あった。ただそのままにしておくのも暇だったから、自分が挿入するためにも奉仕してもらおうとしたのだが、虚ろな眼をしながらもここにきて拒否。胸を掻いたり、生えている山芋を前後に動かしてやったりして身を捩るほどの快感を与え、ようやく膝立ちをさせて自分のものに口をつけさせた。
嫌がった末、手が使えないまま涙とか汗とか色んな液体にまみれた姿で必死に奉仕しようとした姿には興奮を覚えた。…だけど、あまりにも不慣れ過ぎた。というか超下手。バター犬以下。経験がない事を差し引いても、少しだけ伸ばした舌で先しか舐めないし、頬張れと指示しても咥えたまま動かないし、歯はガンガン当たるし、すぐ吐き出すし。
痺れを切らしたというか、今までの興奮で硬さを増してきたものが危うく萎えてしまいそうで、頭を鷲掴んで勝手に動かした。ああ、初々し過ぎるのも問題だと始めて実感し、せめてバター犬並みかそれ以上にしなくてはと次の目標を考えた。
そんなことの後、挿入している塊の隙間から指を挿れる。探ってみるとまだ大分きつそうだったが、肉の柔らかさから見て何とかなるだろう。四つ這い…正確には手を拘束しているから一まとめになった腕で支える格好にさせて、突き出た山芋を弾いて名を呼んだ。
「自分で出して」
「…手が…」
「腹に力を入れれば出せるだろ」
「っ!…んなこと…、…でき…ない…」
「出来ないじゃない。出せって言ったんだ」
挿入している物を捻り出せということは、行為的に挿れている側からすれば便を漏らせと言っているのと同じだ。順平はふるふると力なく首を振ったけれど、尻を叩いて命令すると諦めたように頭をがっくりと落とした。暫く静止した後、脇腹がぐっと締まって腿が張り、挿した白の塊が粘着質な水音をたてながら僅かに動き始めた。後ろから見ても耳や首周りが真っ赤になっていて、身体中に汗を掻いていた。顔は見えないが、震え続け、荒い呼吸なのに啜り泣くような音が聞こえる。
「力んで尿まで漏らすなよ?」
「…っ、…っは…」
そんな言葉にも順平はひり出そうと頑張っていた。「うるせえよ!」と仕打ちに怒る元気も余裕も無いのかもしれない。
徐々に吐き出されるのと比例して、苦悶の呼吸が喘ぐように聞こえてきた。排泄感は快感だと言うがそれが堪らないのだろう。
絶頂のときのような声を上げながら、何とか捻り出した。排出物も僅かに一緒に流れ出たが気にしない。後でシーツを丸ごと洗ってしまえばいいだけだ。それにいつも女性の香水やシャンプーといった甘く柔らかい香りが立ち込める綺麗なセックスが続いていたから、雄の獣臭くて興奮する。
這う姿で身体を小刻みに震わせる様が、まさに産まれたて小鹿という感じだった。まぁ産んだ側だけれど。顔を覗きこむと汗をじっとりと滲ませ、焦点を危うくさせている目からは涙を零し、荒い呼吸で口を閉じることも億劫というように半開きの口から涎さえも垂れ流していた。正直、奉仕なんかさせなくてもこの顔で十分だったかもしれない。
もう疲労困憊といった感じだったけれど、拡張だけで終わるはずがない。ゴムを勃ち上がった自身に被せ、順平の腰を乱暴に掴み寄せた。腕に力が入らない順平はそのまま引き摺られ、拘束されている腕を合わせた両腕から肘にかけてと、力無く開かれた膝を必死に重心にするものの、肩は落としていた。粘着質な液体と僅かな汚水を漏らしている弛んだ後孔に突き挿れる。締め付けがやはりきついものの動けないほどではないし、順平もゴムが擦れて良かったのか良がり狂った。体格的に自分より少し勝る相手を這い蹲らせ、バックから突いて泣かす。中々美味だった。
突き挿れたままシルバーネックレスを自分の方へ引き寄せる。呻きと共に顎が上がり、背がしなった。まるで犬。可愛い愛玩犬。
首が絞まり、それでも両腕のリボンタイを外そうとせず苦しそうにする順平の耳に覆い被さるようにして唇を押し付けた。
「後で僕が綺麗に洗ってトリミングしてあげる。嬉しいだろ?」
無理矢理持ち上げた顔は全然嬉しそうではなかったけど、中の腸壁がうねって収縮した。
身体を洗うといっても、水で流したぐらいでは痒みは取れない。山芋の痒みを軽減にするには酸が有効なのだが、ちゃんと治してやるために酢を用意しておいた。…とは言え、弄り回した腸壁や過敏な性器に酢を塗りつければどうなるか。酷く沁みて痛烈に悲鳴を上げる場面が目に見える。
でもその激痛を伴うであろう洗浄もこの性交が終わってから、さらにその後なのだ。挿入したばかりの自身は元気で、まだまだ身体を休めるには遠い。
夜は長い。それこそ影時間だってある。既に揺さ振られるだけの順平の身体がこれからの長い夜に耐え得るのか疑問だけれど、主人に最後まで尻尾を振って付き合うのが犬の務めだろう。
to be continued. 2009/07/17