PERSONA3 UNDER TEXT

瞳に映る狂気A


「…お前なんか、簡単に殺せるんだぜ…?」

 ショックと酷い仕打ちに固まる。

 恐怖という名の鎖で縛ると身体中に痣のようなキスマークを付けられていく。強く吸われ過ぎて痛い。こんなのは抓られているのと同じだ。それでも、胸だけは神経が剥き出しなのか電流が流れたように痺れる。胸を掠める度に身体が跳ねると満足そうに笑みを浮かべられて、またより一層強く吸われる。

 出来る事ならボコボコにしてやりたい。力で勝てなくても抵抗したい。ただ、今は首を絞められた肉体と精神的な疲労で身体を暴れさす力もない。それよりも、あの様子だと抵抗したら次は本当に殺されるかもしれない。

 普段なら、自分が知っている真田ならそんなことはありえない。力に目覚めたときに助けてくれた恩人だ、無心で懐いていた人だ。

 なのに…今目の前にいるのはその真田の面をした狂人だ。いや、むしろ人じゃない。人の理性なんて持っていない。理不尽に暴力しか与えてこない。

 怖い、だがこのままされるがままになって、性的に犯されて、自分が先輩として好きだった人の像がどんどん崩壊されていくということの方が、もっと耐えられなかった。

「…、…さ、真田サン…ッ」

 このまま犯られるなんて、男に掘られるなんて、やっぱり耐えられない。だったらせめて気絶させて欲しい。自分の中でなかったことにしたい。

「真田サン…真田サン…、ほ、んと…やめて、下さい…ッ」

 首を緩々と横に振るが、真田は見向きもせず、弱いと判断したところをしつこく狙ってくる。どこで覚えたのか、それとも本能のままなのか、突起の周りを舐め回し、先端を尖らせた舌で押し潰しては吸い上げ、赤みを増せば歯を立てられ、逆のもう一方は革を纏わせた指で弄くられて、過敏な神経を直に攻め立てられる。

 痛みを強く感じるところは同じく敏感ということで快楽とも繋がっているのか、鈍った身体に初めての痺れが走る。それが本当に痛みなのか快楽なのか苦痛なのか、何なのかは分からない。ただ、身体は刺激を拾い上げ、じっとしていられない。

「…どうだ、男に犯されるのは?まだ気持ち悪いか?」
「……あ、当たり…前…じゃ…ッ、っう…」
「フン…素直に言った方が身の為だぞ?…じゃあ、身体は本当に嫌がってるか見てみるか」
「な…ッ」

 胸を弄っていた手が下半身に滑り降り、スラックスに手をかけられる。身体中が戦慄いて危機感を感じ、全身が拒絶した。

 嫌だ、これ以上は…ッ、もう本当に引き返せなくなる…!!

 真田の身体が下がったのを見て、動かない身体に鞭打って上半身を無理に起こし、足をバタつかせながら逃げようと必死でもがく。何をされるかという意識はスラックスに手がかけられた瞬間に飛び、身体が勝手に反射のように動いた。

 それを見て、気分を害したようにきつく睨み付けられた。眼が合った瞬間に血の気が一気に引く。本能的な危機を感じ、身体の動きが不意に固まる。先程の首絞めの感触を思い出し、喉を上下させた。

 ただの神話伝説ではあるが、バジリスクというものが本当にいたとすれば睨まれたらこんな感じであろうか。いや、もっと簡素化して、普通に蛇に睨まれた蛙という状態だ。逃げようとした体勢のまま固まって、抵抗を再開出来ずにいると、腰辺りに手を伸ばされてぐっと力を込められ、逃げられないように座ったような状態で固定される。

 その腰に伸ばした手の爪を突き刺すように、その纏う革とスラックスの布ごと食い込ませられる。爪というよりも指を手加減なく深く減り込まされるだけで歯を食い縛るほど痛い。

「イ…ッ」
「…お前…本当に馬鹿だな」

 抑揚の無い声で。あの時、コンビニで出逢ったときに伸ばされた温かな手は今は酷く冷えていて。

「手も足も…逃げられないように折ってやろうか?それで最後は…殺してやろうか?」

 眼だけは逸らさず…逸らしてくれず。

「ッ      …、さ…なだ…サ…ッ」

 身体も喉も瞳もがくがくと震えだして声に泣きが入る。今までの概念とか信頼とか、そういうものを壊されたとき、精神も同じように壊れるのだと初めて知った。冷たく見据えられる眼なんて見たくないのに、自分も逸らすことが出来なくて。

 何で、何で、何で…!!オレが引くって言ったから…?気持ち悪ィって言ったから…?

「何、で…何で、こんなこと…するんスか…」

 自分の言葉に腹を立てたとするなら、真田は同性愛者だというのか?…確かに女性に黄色い声を上げられても迫られても全く興味が無いようだった。だが、だからといって男に興味があるようにも見えなかった。

 無敗のボクサーで、知力もあって、顔も整っていて、でも抜けているようなところもあって、それでも頼りになってくれると、そう憧れてた先輩だった。純粋に格好良いと思っていた。そういう風にしか映らなかった。

 …なのに、何で      



「…、……余計なことを喋るな。お前はただ、誰にも聞かせたことのない、屈辱だろうが何だろうが、快楽の声を上げていればいいんだ…」

 暫く押し黙った後、静かに言われると同時に、油断した隙にスラックス越しに自身を鷲掴みにされる。

「っァ…!」
「気持ち悪いんじゃなかったのか?何故硬くしてる?」
「離、し…ッ、っン…っ、あぁ…っ」
「もっと鳴けよ…気持ち良いって。もっと良くしてくれと俺に懇願しろ」
「っふざけ…ッ、ァ…ッ、ハァ…っ」

 強く、弱く、反応を楽しむように強弱をつけて擦り上げられる。自分でするのとは全く違う感覚、他人に触られたことのない場所は敏感に反応して、嫌でも腰が指を追ってしまう。

 しかし、同時に意思とは違う反応をする自分自身が怖くて、行為そのものが屈辱的で。

 出したくもないのに裏返った女のような高い声が自分の喉の奥から漏れると、その度に真田に鼻で笑われて、羞恥心と憎しみが込み上げる。

 もう嫌だ…、どうしてオレがこんな目に遭わなきゃならないんだよ…ッ、いい加減にしろよ…ッ

「…っう゛、…ッ!?」

 真田の首から肩のラインに肉を食い千切らんばかりに思いきり歯を立てて噛みついた。もう限界がきた本能の行動で、夢中で食らい続けた。

 離せ。ふざけんな。もっと痛がれ。こんな真似しやがって。

 憎たらしい笑みを零していた真田の顔が苦悶の表情になったのを見て、少し満足し、調子に乗ってもっと深く噛みついた。三度目の抵抗だ。でももう知ったことじゃない。オレを殺すか?その前にアンタの喉を噛み切ってやる…!


「っ…、……フ、そうやって噛みついていればいい」

 苦悶の表情から、口端を吊り上げていき、不敵な表情になっていく。余裕な立場を崩さないことに腹を立て、もっと酷くしてやろうと強く噛み付いた瞬間。

「ッツ      ッ!?」
「そうやって犬のように噛み付いて…精々声を抑えてろ」

 下着の中に手を忍ばされ、いきなり触れてもいなかった乾いた排泄器官に指を奥まで一気に突き立てられた。

 そんなところにまさか指が挿し込まれるなんて思いもよらなくて、力を抜けないままどうすればいいのかパニックに陥る。初めての直腸の異物感、味わったことのない中を裂かれる酷い痛み。

 身体をわなわなと震わせて、唯一縋れる真田に思わず抱きついて、痛みを分散させようと、肩に更に食いついた。今一番縋りたくない人物のはずなのに。

 真田の指は数センチ程度しかないはずなのに、中ではとんでもない凶器だ。動かされる度に強烈な痛みが襲う。しかし、指を曲げられある一箇所を押されると、痛みの中に直接性器に伝わるような快楽に似た痺れにドクンと脈打った。

 どちらも自分の知らない強過ぎる刺激で、あまりのことに勝手に大粒の涙が零れた。

      ッふぅう…ッ」
「気持ち良いだろ?前立腺を刺激されて」
「ン      …あァ゛ッ!!ィ、ぐあ…、やめっ…!ぬ、抜い…ッ!!」
「やめて…?こんなに俺の指を締めつけておいて」
「はっ…ぁぁっ…、し、知る…かよぉ…ッッ」
「……ああ、そういえば…、噛み付くのはいいが…忠告したのに抵抗したな…?」
「ぇ……っ      ヒ、ぐッッ!!」

 全く慣れていないのに、急に指を三本に増やされて、腸壁を無理矢理裂くように拡げられた。

 声を抑えるとか、そんな虚勢を張っている場合ではない。痛みを我慢して噛み付く以前に圧迫感に背を仰け反らせるほど息を強制的に吸わせられるようになり、目を見開き、悲鳴のような声を上げる。それでも構わずに出し入れされ、奥へと突かれ、バラバラに暴れられる。本当に死んでしまうと思うぐらいの我慢出来ない痛みと、増えた指に性感帯を押し潰され、腰にくるほどの強制的な快楽に壊されていく。

      ッィ゛…やぁぁ゛……ッ!!」
「何だ、声を我慢しないのか?せっかく噛ませてやったのに」
「あっあっ、あ゛ぁ゛…痛、い…ッ、痛…!!」
「それでもしっかり感じているじゃないか。ここはもうこんなに濡れているぞ?」

 もう一方の手で痛みで萎えているはずだったのに、何故か反り返っている自身を掴まれて、親指で先端を割り裂くように刺激され、残りの指で竿を擦られる。

「ンぅ…      !!ま、っあァ!!やっ…そん、な…した…っ、らッ…、…ッ!!」

 ビクンと大きく震えると、知らない間にパンパンに溜まっていた精子が吐き出され、自分の腹が大量の精液で汚れていった。長々と吐き出すと、ビクビクと数度性器を痙攣させて余韻まで感じると、急速に軟体動物のようにぐんにゃりと身体の力が抜けた。

「…何だ、もうイったのか。…手が汚れただろ」
「…ッ      、!?んんっ…!や…っ」

 精液で汚れた手をそのまま口の中に押し付けるように無理矢理入れられる。片手ではまだ指を挿入されたままで、逃げようとしても顔を軽く背ける程度しか出来ない。

「お前の出したものだろ。綺麗に舐め取れ」

 革手袋のまま、ベッタリと汚れた指で舌を挟まれ、口の中が苦味と生臭さで一杯になる。そして、直腸に挿れられた指が艶かしく動いた。きっと肩に噛み付いたように、この指に歯を立てたら、もっと酷い目に遭わされるのだと靄がかった頭でも悟り、訳が分からないままおずおずと舌を指に絡ませて舐めると、満足そうに笑われた。

「やれば出来るじゃないか。それとも気持ち良過ぎたのか?」

 その声に反応して、小さく首を横に振り、舌を引っ込め舐めるのをやめると、途端に笑みが消え、指を乱暴に引き抜かれた。

「んはっ…」
「……この期に及んでまだ否定するのか…?だったら…受け入れるまで、嫌というほど味合わせてやる」

 身体をまた床に打ち付けられて呻いている間に、下着ごとスラックスを剥ぎ取られた。真田は性器のみを取り出すと乱暴に足を持ち上げ、その足を開かされる。


「お前が気持ち悪いと思っている行為だ。最後まで嫌がることが出来るか…?」

 苦しい程に身体を折り畳まれて、盛る熱を無理矢理突き立てられた。

      !!…ッ、…!!っうあ゛、ああぁぁぁ…ッ!!」

 痛い、痛い、痛い…!

 指なんかとは比べ物にならない程の質量に、裂かれるような痛みを与えられる。息が出来ないぐらいの圧迫感。痛みに全身が強張った。

「っく…、…、どう、だ…?貫かれて、犯される、のは…ッ?」
「ッ…!!ァ゛っ…ィああ…ッ!!ぐぅ、んん゛…ッ!!」

 否定の言葉を言おうとするが、声が上手く出ない。開く口から出るのは、揺すられる度に強制的に喉奥から切れ切れに漏れる悲鳴の喘ぎだけ。

 自分で聞いても快楽の声は全く含まれておらず、苦痛を訴える声にしか聞こえない。

「あ、ぐ…ッ!!ひぁ゛、んぅぅ゛ぐ…!!」
「そのうち…っ、快楽しか、残らないようになる…お前の乱れる姿が、早く見たいな…ッ」

 そう言って未だ、異物を押し返そうと拒み続ける中を無理に激しく動かれる。水分が真田の先走りしかなく、滑りが悪い中で動かれれば肉が引き攣れる痛みがはっきり届いてしまう。



「ああぁッ…や、めッ…!無、理ッ……、…ッぅあ゛!?痛ッ      !!」

 自分の中で、何かが引き裂かれるような感じがした瞬間、もの凄い痛みが走った。

「…っ、ん…?」

 真田もこの妙な感触に気付いたのだろうか、眉を寄せ、一度自身を引き抜いた。

「…無理に進み過ぎて切れたか」
「ッ…、…ぁ?……切れ…った?」
「血が出ただけだ。…これで滑って動きやすくなったな」
「えっ…血ィ…!?やっ、やめろ、よ…ッ!出ただけって…      ッあぐ!?」

 自分勝手の言い分で納得すると、また無理に侵入してくる。グチャ、と血とどちらのか分からない液が混じって、音が今までより大きく響く。確かに血のせいでスムーズに動くようになり、圧迫感が多少は軽減されたものの、裂けて傷付いた内部はより痛みを増す。

「痛っい…!ッ…あっ、ん゛っ…、駄目…ッ、痛てぇ、ってぇ…ッ!!」

 悔しさと我慢出来ない痛さに号泣しながら訴える。酷い強姦に肉体はもちろん精神も崩壊しかけていくのを何とか頭を振って、理性を見失わないように追いかける。

「…痛い?じゃあ、おまえはマゾヒストか変態だな…?」
「っ…は、ぁ…?」
「痛い、嫌だと言うくせに、ここが、また反応してきてるぞ?」
「ッ、ンぅ…ッ!!」
「痛いのが気持ち良いなんて、とんだ性癖じゃないか」
「ちげっ、ぇ…ッ!!」
「じゃあ…ここから出てる液を止めろよ。…この行為が気持ち悪いと言うのなら、この液は何だ?言ってみろ」
「…んなのッ!…ク、ソ…!!アンタ…のが、変態、だろ…ッ!男、襲って…ッ!!」
「…、……」
「っの…、ホモ…っ野郎、が…ッ」
「……、……別に、男が好きなわけじゃない…、…ッ」
「だったら、な…んで、ッ…、こんな…ッッ」
「…、……ッ」

 顔を…逸らされた。先程までの余裕を湛えた狂人のような表情は消え、苦しげな険しい顔になる。まるで、辛いとでも言いたげな。

 辛い…?ふざけるなよ。こんなことをして、こんなに痛めつけて…殺そうとまでして…、それで自分の方が辛い思いをしているとでも、そうとでも言うのかよ…?

 何だよ、それ…?



「…、…お前が、…お前が、……手頃だろ?…性処理に」
「…っ性、処理…だ?」

 たっぷり間を取った後、吐き捨てられた答えは最低のものだった。

 たとえどんなに強くて、賢くて、美貌を備えている人間でも、人を物のように扱う権利なんて誰一人だって与えられているはずがない。

 それを、そんな顔で…



      ッうあ…ッ!?ァ、や、…ッう…」

 逸らされた顔を急にこちらに向けてきたと思えば、不意に激しく動かれる。身体を密着させ、大きくピストン運動をされ、内臓を迫り上げるように奥まで何度も突き上げられる。

「ァっ、は…ッ、…き、急に…ッ」
「…ッ、お前を見ていると、ッ滅茶苦茶にしてやりたく、なるんだよ…ッ。腹が立つ…ッ、いつも構われたそうな顔をして…ッ、女に随分と、興味を持ってるみたいだが、どうせ何も知らないんだろ…ッ?」
「なッ…!!…っン、っ…あぁぁッ!!…、…ァ、…」

 腰を引かれて、内臓までズルズルと引き抜かれる感覚に、背筋を震わせ、突き挿れられて前立腺を押し上げられる。その刺激に脳まで痺れる感覚に襲われ、また達してしまう。射精出来たのかも分からない。

「またイったのか…嫌がっている割に、随分感度が良いじゃないか」
「ハァ…、ハ…、…るせぇ、ッ…早く、…ぬ、抜け…っよ!」
「ふざけるな。自分だけ勝手にイっておいて」

 動きを止めることなく、性器にまで手を伸ばされて刺激を与えられる。体力的に圧倒的な差と、今までの暴行のために、極度に疲労していて、もう身体が思うように動かない。糸の切れた人形とはよく言ったもので、ぐったりしている身体を玩具のように好き勝手に扱われる。

「っあ…!!ちょっ、もっ…!!やめっ      
「…っん、…気持ち良いか?」
「…ッなわけ、…ッツ」
「そうか…なら、まだ終われ…ないな?」
「…!!っの…ヤロ…ッ、…      っィ、ああ!!」

 どんどん動くペースが早くなっていき、真田の声も追い詰められていくように大きくなっていく。

 もう、吐き出す精液が無くても中を犯される度に腰に快楽が伝わっていく。射精せずに達するなんて女のようなことが出来るなんて知るわけも無くて、永遠に与えられ続けそうな快楽に恐怖する。

 手が痙攣するかのように震えてきたが、死んでも真田には手を回さないと、床に爪を立ててガリガリと引っ掻いて意味も無く耐える。

「ハァっ、…、…ん、…耐えられ、ないのか?」

 床を爪が剥がれる程に必死に引っ掻いていると、真田にその手を掴まれる。指にありえないほど優しく唇を押し当てられ、そのまま背へと誘導される。

「…俺の背に、回していい」
「ッ…!?」

 ガツ、そう音が微かに聞こえ程度に掴まれていない方の手で頬を殴りつけた。自分では全力だったが、きっと力が入っていない手では大して痛みはないだろう。

 だが、殴られた真田は酷く痛そうな顔をしていた。本当に痛いのは頬なのか、分かるわけもない。

「っ、…、……」
「…さ、触ンな…ッ!!離せよ!!……今、さら…嘘もんの優しさ何か、見せてんじゃねぇよ…ッ」
「……」
「オレは…オレは、絶対ぇアンタを許さねぇ…ッ、…ブっ殺して、やる…ッ」


 身体を震わせて叫ぶと、真田は目を伏せた。心なしか、長いグレーの睫毛が僅かに震えていた気がした。

 真田の心が…読めない。


 薄い色の瞳が微かに自分を映した。その眼が酷く弱々しく見えたと同時に、未だ掴まれたままの手を強く握られた。

「……、…      ッ、順平…ッ」
「っ…!な、え…?…ッぅぐ、ううぅッッ!!」

 突如、凄い勢いで迫ってこられ、掴んだ手を引き寄せられて激しく突かれる。怒らせたのだろうか、とんでもなく荒々しかった。

「いや…ッ、あ…、いや、だ…真田、サン…ッ!!」
「っく…ッ!!」
「んんッ…ふあ、ぁぁ…      ッ!!」

 最奥まで突かれ、そのまま真田の出した精液が腸に流し込まれていく。その弾みで射精を伴わない絶頂を向かえる。

 喘ぐように息を吸い、そのまま意識が飛びそうになると、頬を軽く叩かれた。

「っはぁ…、…、おい…まだ気を、失うな…ッ」
「…、…ぁ…」
「気持ち…良ったか…?」

 首を緩々と横に振った。ここで、受け入れられるわけが、ない。

 すると、真田は怒りに瞳を燃え上がらせた。

「ッ…、なら…壊れるまで抱いてやる…ッ」
「…!やっ…嫌…嫌…ッ、も…、限…界…」

 何度も同じような会話と行為が続く。真田は何故か認めさせようと必死で、その度に弱く首を振る。自分も真田もどこか意地になっていて…




「順平…何故、受け入れない…ッ」
「はあっ…、んっ…、嫌、だ…認めたく…認めたく、ねぇ…」
「ッ!!」

 酷い行為で、もうその存在すら忘れていたが、自分の首にまだ絡みつくように巻きついたままの縄跳びの左右を掴むと、また絞めらていく。そのまま締め上げながら真田は激しく突くのを繰り返す。

「…、…ッ、お前なんか…お前なんか…簡単に殺せるんだぜ…」
「ぐ、っ……ッッ」

 強く絞められたまま、もう何度目か分からないが、強制的に達せさせられると、そのまま目の前が真っ暗になった。


 視界が真っ暗になる直前、真田が涙を零していたのが視界に入った気がした。が、何故泣いているのか…そもそも、本当に泣いていたのか、今となっては分からない。




to be continued.

2006/10/30
2008/05/10 タイトル・文章修正

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