PERSONA3 UNDER TEXT

clumsy


 ボクシングと、シャドウ討伐でほぼ毎日発散している分、欲求不満には縁遠いと思っていたけど、どうやら真田明彦という奴は想像以上に絶倫であったらしい。体力が並はずれてあるせいかもしれない。

 嫌になるぐらい毎日、毎日…獣のように盛ってる真田サンに、今日もまた夏期講習の登校前に自室の前で捉まってしまった。いつも服用しているあのプロテインには性欲剤でも入ってるんじゃないかと思う。

「順平…」
「じょ、冗談でしょっ今から学校っスよ!?」
「数分もあれば終わる。今日から合宿なんだ…ヤり溜めて、お前の顔を焼きつけておく」

 信じらんね…っ、常識ってもんが無いのかよ、この人。

「終わんねぇっしょ!!つか、ヤり溜めって…、…も、ホント勘弁して下さい、昨日も散々やったんだから溜ってな      ッ!?ちょ…ッ、ン…ッ」

 全力で拒否するものの、煩いとばかりに唇を重ねられて口を塞がれる。体力の回復力の差が違い過ぎて、いつも誘われ攻められるのは自分だ。

 全くその気もないのに、抱き寄せられると胸と腹あたりが熱くなってくるのが不思議だ。制服の中のタンクトップの隙間に手を滑らせて、腰を固定されて、ベルトに手をかけられる。昨日の熱がぶり返してきて、徐々に抵抗する手が勝手に真田サンの背中に回ってしまう。

 ああ、オレも何やってんだ…すっかり真田サンの性生活に馴染んでる。



「…っ真田サン…オレ、も…ッ」
「分かってる」

 時間が限られているために、ドア側の壁に押し付けられて、ダイレクトに性器を剥き出しにされ、急速に攻め立てられる。生温かい口の中で弄られればあっという間に追い詰められ、限界を訴えると、見上げる目線は言われなくても分かってると言いたげな感じで、強く吸われて射精を促される。

「っく…ッ、…ン      !」

 昨日の今日なのに思春期の身体は出すものはちゃんと創っているらしく、抵抗むなしく口の中で達してしまう。しかも吐き出すのかと思いきや、顔を見つめられながら無表情のまま真田サンは喉を上下させた。口の中絶対気持ち悪いだろうに。

 真田サンは本当に無駄なところばっかり自分のことを理解している。まるで、オレがいつイくか、こうすれば後何秒、とか身体の仕組みを自分よりも分かってるように簡単に翻弄される。

 何だか身体をつくりかえられているようで…オレ、こんな風にされて真田サンがいなくなったら…捨てられたら…そう思うとたまに怖くてたまらなくなる時がある。


「随分早いな?」
「…真田サンも…」

 真田サンの勝手とはいえ、何か自分だけ弄ばれてやられたままっていうのは納得いかないから、真田サンのベルトに手をかける。珍しくその気になっていたのに伸ばした手を軽く掴まれた。

「オレだけなんて…真田サンだって、このままじゃキツイでしょ?オレも口でしますから」

 口でします、なんて自分にしてはかなり積極的なアプローチだ。目線を少し横にずらして、少しばかり照れながら言ってみる。…が、喜ぶであろうその言葉に何故か真田サンは一瞬キョトンとしたと思ったら、考え込むような、困惑した表情を浮かべた。

「…え、あぁ…いや、しなくていい」
「へ?いいんスか?だって…」
「もう時間が無い、…お前下手だからな、遅くなる」

 ……え、……なに、下手?

 不意に言われた一言にようやく理解が追いついたときには、怒りが一気に頂点まで上がった。

 こ、この…っ言うに事欠いて…!!今、下手っつった…!?

「それだったら、お前見ながら自分の手でやった方が…」

 何かブツブツ言っているけど、もう自分の耳には届いていない。今のは男として聞き捨てならない。男というのはプライドの塊だ、それを粉々にされた。さらっと言いやがったけど、かなりヘコんだ、傷付いたッ!

 今まで散々人に無理矢理奉仕させて嬉しそうにしてたくせに!じゃあ何か?ずっと下手だコイツ、一生懸命頑張っちゃって、とか思ってたのかよ!そりゃ確かにかなり未熟っつか、真田サン相手にしかしたことないから経験なんて浅いけど…真田サンの方がオレよりテクが上っつうのかよ!

「…ん?順平、何俯いて      ッつ!?」

 怒りにまかせて真田サンの身体を思いっきり突き飛ばした。押された勢いでドアに頭をぶつけてたけど、そんなこと今は知ったことじゃない。

「覚えてろッ…真田サンの筋肉馬鹿あああッ!!」

 叫んだら意味が分からないと、ポカンとした顔をされたけど、無視してそのままダッシュで寮を出た。

 ムカつく!マジでムカつく!!ホント覚えてろッ合宿から帰ってきたらオレのテク見せ付けてやるッ!泣かせてやる!!そう心で呪いの言葉を唱えながら学校へと駆けていった。




 授業中、珍しく寝ないで考えてみた。とりあえず、夏合宿の間…確か四日間だったっけ?月曜祝日で…とにかくその間にオレの神技で速攻で昇天させる程のテクを身につけてやる。馬鹿らしいとは思うが、こういうことは大事だ。男のプライドにかけてとかそんな感じで。

 …とは思うものの、具体的にどうするべきかが分からない。なにせ経験が少ない上、その経験の相手が真田サンというのが大問題だ。…こういうお勉強ってのはやっぱり、AV…?いや、でもなぁ…さすがに堂々とアダルトビデオコーナーに突撃する度胸はない。そして買える度胸も、金も無い。そもそも年齢的にアウトだし。

 …あ、パソコン、とかは…?パソコンの無料エロサイトとか…いけんじゃね?有料と無料の境目が物凄く怖いけど…まぁサンプル程度ならあるだろうし。そう簡単に作戦を繋ぎ合わせて方法を決定すると、次は実行に移す事にする。


 とにかくアイスキャンディとかバナナとか…アレに例えて練習するアイテムを買い集めて、金が掛からなさそうなサイトで練習してみる。傍から見れば物凄く阿呆な光景だ。というか、よく考えれば自分でも自制出来るはずなことも怒りで回路を焼き切ってしまった現在の自分はもう暴走しっ放しだった。

 一番重要なシーンにモザイクとかかけられてるけど、そこはないはずの透視能力でアイスキャンディを口に含んで舌使いを勉強した。小さい努力だけど、結構何日も続けてると上手くなった気分がする。あくまで気分だけど経験がゼロ状態からすれば大きな進歩だ。何か舌の裏側とか攣りかけたし、可笑しな筋肉使った気もするし。

 かなり良い線いっただろ、うん。見ろ、このアイスキャンディの袋と棒の量!!この形に残りまくってる努力の結晶を!!まぁ、斜め向いてアイスが垂れちゃって、服も床もベタベタでかなり悲惨な有様になったけど。




 微妙な特訓も何だかんだでもう、四日目。ついに今日、この事件の発端と言っていいあの真田サンが帰ってくる日だ。見せてやるぜ、オレの努力と金と苦労の結晶!!そう意気込んで部屋の前で待ち構えていた。

 ずっと異常な興奮状態を保ちつつ、某待ち続ける犬のように待っていると、ガチャリ、とラウンジの重いドアが開く音が鳴る。暫く間があってから、トントンと階段を上る軽やかな音が響く。帰ってきた!銀色の髪が階段から見えた瞬間、飛びつくように迫っていた。

「真田サン…っ!」
「ああ…順平、ただいま」

 この四日間の特訓は確かに自分が勝手にやっていたけど、それでも四日ぶりに会ったっていうのに、大して興味もなさ気にありきたりな挨拶だけ交わすとさっさと自分の部屋に入っていった。何その愛想の無さ。そんなに合宿が疲れたんスか。行きはあんなに盛っといて、この違いは何なんだ。

「真田サンッ!!」
「!?な、何だ…?」

 行き場の無い怒りに身体を震わせて、そのまま部屋に突撃しドアを荒々しく開けると、突然なことに目を点としている真田サンに詰め寄った。

「…何スか…お疲れっスか?」
「ああ、まぁな…」
「……四日間、暇でしたよ」
「…そうか」

 そ、そうかって…それだけかよ!会いたかった、とか、四日前の朝みたいな勢いとかないのかよ!?ああっもうっ!

「…ッ!じゅ、順平!?」

 やれやれといった風にベッドに座ってる真田サンの前に屈みこむと、ベルトに手をかけて勢いよく引き抜いた。多分、真田サンからすれば自分の突発的行動こそ意味不明だろうけど、こっちだってこの人の頭の中はずっと意味不明だ。

「おい…っ、…ッ」

 いそいそと真田サンのものを取り出して、困惑して制止しようとするのを問答無用で口に含んで、ここ四日間の努力の成果を発揮させる。

「んっ、ふ…ッ」

 当たり前だけどアイスキャンディなんか比べものにならない大きさで、とてもじゃないが奥まで頬張れない。それでも出来る限りで精一杯頑張ってみる。舌を参考の映像通りに使って…先端を重点的に…手は根元を締め付けるように…、うん、かなり良い線いってるはず!

 含むものも良い反応しているし、きっと急にレベルアップしたオレのテクに悶絶しているだろうと、得意気に口に含んだまま顔を上げた。

       …え?

「……」

 む…無表情…。思わずそのままの体勢で固まってしまった。怖いぐらい何も感情が無い顔だった。何だよ…もっとヨがれよ…それにちょっと腹が立ったことと、無表情に見つめる眼に何故か耐えられなくて、さらに攻め立てるように舌を使う。

「っ…、むっ…」

 正直言って、苦しい。アイスキャンディだと溶けていくから小さくなんだけど、この人のは元々大きいのがさらに大きくなっていくわけで。それはつまり感じてる証拠でもあるから多少は満足した。

 絶対二度と下手だなんて言わせないと頑張っていると、いきなり頭を鷲掴みにされた。

「ん゛…ッ!んぐっ…ッ!?」

 もうすぐ達せそうなのか、強く頭を押さえつけられて、前後に激しくシェイクされる。咄嗟のことに驚いて頭を退こうとしたが、逃がしてもらえない。

 待っ…、無理、苦しッ…!奥、突かれて吐きそ…ッ、これじゃ口の中犯されてるのと一緒じゃんかッ。

「…ッ、くっ…ッ」
「ぐぅむ…ッ!…う…」

 大量の濃くて苦味のある液体が喉に直接放たれる。吐きそうになったけど、なんとか口を手で押さえて、零しながらも飲み込んだ。喉に絡みつく感じが不快で、激しく咳き込みながらそのまま脱力してコテン、と床に転がった。

 疲労感もあるし、自分のテクだけとはいかなかったけど、達成感を感じてどこか満足していた。ほら、こんな短時間でイかせてやった…ッ!最後の方は無理矢理口使われた感があるけど、まぁとりあえずは自分の舌使いのテクの向上は分からせてやったはずだ。



 息を整え終わると、真田サンの様子を窺うために見上げる。それはそれは快感に頬を赤らめてるとか、オレの巧みな奉仕に喜んでるとかを期待して。

「……」

 うわ、まだ無表情…!!チラリとこっちを見て、それから何事も無かったようにベルトを締め直している。何だよその顔…こんな頑張ったのに…むしろ褒めてくれるぐらいあると思ったのに…

 …!あ、れ…? …つか、なんつーか…無表情って言うか、これ……怒って、る…?



「……」
「…、…」

 き、気まずい…何で…こんな筈じゃなかったのに。もっとオレのこと分からせて、もっと      

「…さ、真田サン?」
「……」

 恐る恐る呼びかけても今度は俯いて反応もしない。だんだんあまりの気まずさと、意味の分からない無言に苛立ちと不安を覚えてきて、こっちも目を逸らして服を直した。

 何を考えてるのか分からないけど、きっといつまで経っても話しかけても反応してくれないと思って出て行こうと立ち上がった。咥内と零した首の辺りが不快だから、風呂に入りながらでも何でこうなったかを考えようかと思った、その時、後ろから小さい声で、それなのにいつもより二倍ぐらい低い重低音で呼び止められる。

「…は、はい?」
「…こっちに来い…」
「な、何でスか…?と、とりあえずオレ風呂入るんで、それから…」
「……随分俺がいない四日間楽しんだようだな」
「は?楽しむ?」
「俺はお前に、こんなことを教えた覚えは無い…誰に教わったんだ?」

 どうやらオレの口淫が知らないうちに上手くなっていたことが不服らしい。しかも誰かに教わったと勘違いされていて、見つめる視線が鋭くて痛い。

 何だよ、オレはアンタのために…いやまぁ、半分は自分の自尊心だけど、それでも床ベタベタになってまで練習したのに…、つか馬鹿にされたからフェラ巧くなるためにアイスキャンディ舐めてエロサイト見て独りで研究してたなんて言えるかよ!

「…別に、…真田サンには、関係ねぇし」

 ついつい、照れと強がりで強い口調で言い返すと顔を背けた。だって馬鹿らしいだろ、オレが四日間やってきたことも、少しでも喜んでもらえるかと思ったことも。ああそうだ、こんな風になる予定じゃなかった。そもそも真田サンが下手とかいうのが悪い!


「……クク」
「っ!」

 重低音のまま、真田サンの声とは思えないほど背筋がゾクリとする笑いが聞こえて、驚いて振り返る。

 顔は笑っている      けど、眼が明らかに切れていた。見たこともない顔に、そのまま怖さで固まっていると胸倉を掴まれて壁に思いっきり打ち付けられた。

「ぐッ、ぅ…ッ」

 衝撃で一瞬呼吸が変になる。怒りでこんな風に手加減なく手を出してくるなんてことは今までなかったから、その驚愕もプラスされる。

 勘違いから状況は一気に最悪になっていた。どうやら真田サンを本気で怒らせた、らしい。

「いい…度胸してるじゃないか」
「さ、真田サ…っ違うって…!!そういう意味じゃ…ッ」
「…今更何を言っても遅い」

 足を引っ掛けるように絡ませられて、その足を掬い上げれると、そのまま派手に床に倒される。身体を起こす前に上から押さえつけられて、タンクトップを荒く捲りあげられた。

「つ…ッ」
「痕は…無いみたいだな」
「だから違ぇって言って…ッ、      痛ッ」

 引き離しながら身体を起こそうとすれば、倍以上の力で床に叩きつけられる。後頭部を打って呻いているとジーンズにも手をかけられて引き剥がそうと力を込められた。

「い゛…ッ、やめっ…何す…ッ」
「黙ってろ」

 下着ごとずらされて、思わず止めようと咄嗟にまた身体を起こしたら、やっぱりまた力一杯叩きつけられた。目の前がチカチカと光る。

「ぐッ…あ…ちょ、オレ…はッ」
「言い訳なんて聞くつもりは無い、確かめれば済む話だ」
「何、ちょっと、落ち着いて      ッンく!!」

 誤解を解こうとしても、真田サンは話す暇さえ与えてくれない。勝手に確かめると言われて、いきなり指を後孔に突っ込まれる。乾いたそこに、革手袋を纏ったままの指が無理に侵入して、擦れて引き攣れて、あまりの痛さに全身が突っ張って、息も満足に出来ない。

「ッ      !!ああ゛…ッ、嫌…やめ…ッ」

 腸壁を確認するように探られる。感情が籠もっていない指は扱い方が乱暴で、機械的な動作に胸が痛んだ。

 オレは真田サン以外になんて、身体を許したりしない。たかが四日間我慢出来ないなんてありえないし、誰かを抱いたり抱かれたりなんてことがすぐ浮かぶなんてどうかしている。毒されている。どうして…信じてくれないのか、そのことが悲しかった。


「…どうやら、挿れられてはいないみたいだな…?」
「は…ッ、だから…そう、言ってんじゃ…!!」
「まぁ、俺が出て行ってすぐだとすれば、分からないけどな」
「…ッ真田、サンッ」

 ずる、と中から手を引き抜かれて、その手を拭かれる。乱暴に犯されたけど、それでも前立腺やら押し上げられて、身体が反応しちまってる…、数日触れられてないせいで、身体が疼いてる。こんな扱いされても求めるのかよ…

 痛みと共にじわじわと伝わっていく痺れに、足をくねらせて訴えるように見つめても目も合わせてもらえない。中途半端に放り出されるのはもう拷問だ。

「さ…真田サンっ…!!ホントにオレ、だ、誰とも…ッ」
「…そんなに欲しいのか?こんなことで、反応して」

 やっとこっちを見たと思ったら冷たい目で見下ろされる。蔑んだような眼は悔しくて、怖くて、思わず眼を逸らすとシルバーネックレスを掴み上げられて顔を近付けられた。

「お前…風呂に入りたいんだったな?」
「は…?」
「来い」

 反論する前に下ろされたジーンズを簡単に上げられ、嫌がるのを無理矢理に半ば引き引き摺られるようにして風呂に連れて行かれる。



「なっ…!やめってってッ!真田サンっ、痛ぇっ…は、話っ聞いてって…ッ」

 抵抗も空しく、風呂場にまで来ると着てるものを無理矢理脱がせられる。その間殴られもしたし、台にも押し付けられたりして、力で捩じ伏せられた。

 ついに一糸纏わない姿にされて、しかも手と足首をタオルできつく縛り上げられて、浅く水が残っていたバスタブの中に乱暴に放り投げられた。

「ッ…!!な、何すんスかっ!?こんなことして…ッ」
「お前のその、汚れた身体を綺麗にしてやるよ。中からな」
「何する気っスか…いい加減にして下さいよ…ッ、オレは何もしてねぇんだって…ッ!!」
「言い分は帰ってから聞く」
「か、帰って…からって?」
「タルタロスに決まっているだろう。今日も俺は行くつもりだからな」
「ちょっ待って、…このまま放っておく気っスか!?」

 嫌な予感がして、っていうかこの状態もかなり最悪だけど、さらに嫌なことをされそうで、慌てて身体を暴れさせた。その様子を見て、真田サンの口角がぐっと吊り上げられた後、シャワーのノズルを手にとって、軽く振られて見せられる。

「…ま、まさ…か…、それ…」
「精々、帰ってくる間これで慰められてろ」

 先端の膨らみを外して、ノズルだけにするとオレの方に伸ばした。その瞬間、何の予兆もなく、電気が落ちて周りが静まった。影時間だ。

 真田サン、真っ暗な中で呼びかけた声は風呂場の中で反響しただけだった。




to be continued.

clumsy:不器用な,扱いが下手な
2006/12/19

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